立ち上げ当初から文房具や中古パソコンなど教育資材の寄付を中心に活動を行いってきました。その中で気づいたことは「ネパールにおける教育機会の必要性」です。美しい文化や伝統を持つネパールですが、彼らは自分の住む地域のことしか知りません。海外に行くこと、ましてや日本に行くことは彼らにとって容易なことではありません。もし、学生時代に先進国である日本に行くことができたならば、彼らは文化、風景、人々の習慣全てに衝撃を受け、視野は広がるでしょう。戦後、日本が猛スピードで発展した理由、その結果としての現代社会の姿。そして自国、ネパールを見つめ直し、自国が経済的、社会的に発展し、安定するために日本で経た新たなアイディアと教訓。そして、守るべき美しい文化を合わせていく若きリーダーを育てるスタディツアーです。

 2016年に2名の中学生と学校長を招待し始まった日本ツアーは2019年9月に第4回目を開催しました。現在までに中高生10名、同行者として学校関係者3名が来日しました。ネパール現地で「私の夢とネパールの未来」をテーマに英語のスピーチコンテストを開催し、優秀者が日本ツアーに参加します。 毎回ツアーのテーマを定め、京都、静岡、東京、神奈川、茨城等を巡ってきました。

[日本ツアー2018報告書]

 

[日本ツアー2019報告書]

 

[日本ツアー2019メモリアル映像 ロング]

 

[日本ツアー2019メモリアル映像 ショート]

 




 第一回目の参加者、アニースとアヌージャは渋谷の清掃活動に感銘を受け、帰国後に学校で清掃プロジェクト立ち上げました。現在は学校周辺地域の清掃活動にとどまらず、麻薬の撲滅運動など地域社会への貢献活動を行っています。

毎年、春にはネパールへ渡航しこれまでの参加者との交流をしています。2018年には過去2 回の日本ツアー参加者に会い、自宅訪問とミーティング、ごみ拾いのプロジェクトを実施いたしました。第 1 回目に参加したアニースとアヌージャはネパールで行われる全国統一テスト(SLC)では A+と A という大変優秀な成績を修め高校に進学し、学業に追われながらも充実した生活を送っています。第 2 回目に参加した 3 名のうちスバンジャンとアリーシャは SLC 直前だったこともあり受験生らしい追い込まれている様子も見えましたが、校長先生曰く彼ら 2 人が学年で 1 位、2 位の成績を残すだろうと期待していました。もう一人の参加者イシャンはまだ受験生ではないのですが、ごみ拾いのプロジェクトでは誰よりも率先して行動し、下級生に対しても指導する姿が見えました。

 自宅訪問の際、日本ツアーに参加して学んだことについて質問すると全員がタイムマネジメントについてあげていました。スケジュールはツアーがスムーズに進行するように交通機関等に合わせて分単位で組まれています。そこから生徒たちは時間を大切に使うことを学び、親からも彼らが早起きをするようになったという声を多く聞きました。また毎年、渋谷の J-HOPE と行っているごみ拾い体験から自分の家や教室、地域を美しく保つこと、ごみを分別することを学び、近隣住民や友人にも清掃や分別の呼びかけを行っているそうです。アニースは学校で分別を呼び掛けていると友人から「ここは日本じゃないぞ」と言われたそうです。しかし、 「誰かが始めないと変わらない。だから僕は続ける」と言っており、人間としても強く成長している姿に感動しました。彼らは私たちプロジェクトメンバーにとって弟、妹です。これからも彼らの成長を見守り続けます。