情操教育

 ネパールでは10年生(16~17才)を卒業すると全員がSLCという国のテストを受けます。進学のためにはとても重要なテストなので3~5才から机に向かって英語の勉強を始めます。もちろんその年齢から宿題もテストもあります。ネパールはとても教育熱心な国なのです。そして、SLCの受験科目である英数国理社を中心に授業が行われます。芸術科目や体育などは私立公立関係なくほとんどの学校では行われていません。

 しかし、芸術科目で培われる情操教育は子どもたちの人間性を豊かにする重要な教育です。私たちは設立当初から関わりのあるCreative Leaners Academy(以下C.L.A)に美術教育資材の寄付、絵の交換プロジェクトを行ってきました。

 絵の交換プロジェクト

 C.L.Aの学生と日本人の若者で絵の交換をします。プロジェクト開始当初はC.L.Aの学生たちはネパール特有の絵を描いており絵の種類がパターン化していました。しかし、回を重ねるごとに日本人側からの絵から彼らの中に新たなアイディアが入り、幾何学的な絵、漫画風な絵、英字を混ぜた絵など絵の種類が格段に増えました。

美術教育資材の寄付
絵の交換プロジェクト

異文化体験

 手紙の交換プロジェクト

 私たちのプロジェクトで開催している日本ツアーには毎年、2~3名の学生しか参加することができません。日本ツアーの目的の一つである異文化体験を一人でも多くの学生に体験させたいというC.L.AのKrishna校長からの強い要望から茨城県の公立中学校の生徒と英語での手紙の交換プロジェクトが始まりました。一対一でペアを組み、相手に向けて顔写真と共に手紙を書き交換しました。 

 他国の人と関わる機会のないC.L.Aの生徒と、同じく郊外にあり外国人と関わることがなく異文化体験をする機会も、英語の必要性を感じることも難しい茨城の中学生が海を越えて1枚の手紙で知り合いました。”自分“に向けて届けられた手紙を必死で理解しようとする学生たち。英語への必要性、モチベーションが生まれ、そして、自分とは全く違う文化の中にいる同年代の姿を想像します。

 1回きりの企画の予定でしたが、C.L.Aと茨城の中学生、両学生から「もう一度相手に手紙を書きたい!」と要望があり今年の日本ツアーの際に茨城の中学校を訪問し2度目の手紙の交換が行われました。

茨城の学生からの手紙をC.L.Aの学生に届けた
茨城の学生たちの手紙をさっそく読み始めるC.L.Aの学生たち
C.L.Aの学生からの手紙